2004 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の生産する新規17員環マクロサイクリック化合物の生合成研究
Project/Area Number |
16780080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛山 智久 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (30280952)
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Keywords | 放線菌 / 生合成 / マクロサイクリック化合物 / ポリケタイド / 遺伝子 |
Research Abstract |
versipelostatin(VST)は放線菌Streptomyces versipellis 4083-SVS6株から単離されたα-アシルテトロン酸構造を含み抗癌活性を有する17員環マクロサイクリック化合物である。本研究では、VSTの生合成遺伝子のクローニングを目的としているため、本年度はVSTの生合成遺伝子の取得とシーケンス解析を行った。まず、VSTはその化学構造からI型ポリケタイド化合物に属すると考えられるので、これまでにクローニングされたerythromycinやavermectinの生合成遺伝子中で特に保存されているketo synthase(KS)とacyl transferase(AT)の塩基配列から、20merと23merからなる1セットのPCR用のプライマーを設計した。これらのプライマーを利用して4083-SVS6株のゲノムを鋳型としてPCRを行ったところ、アニーリング温度55度を用いた場合に1.4kbの特異的なDNA断片の増幅が観察された。次に、このDNA断片をpT7Blueベクターにクローニングし、塩基配列を決定したところ、少なくとも、3種類のDNA断片がクローニングできたことが判明した。これらの配列はいずれもKSとATの一部を含む配列であったため、確かに、I型ポリケタイド生合成遺伝子の一部がクローニングできたと考えられる。そこで、次に、より広い領域の遺伝子断片のクローニングを行うために、4083-SVS6株のコスミドライブラリーを作成した。これにより、VST生合成遺伝子全長のクローニングの準備ができた。また、平行して、クローニングしたDNA断片を用いた遺伝子破壊株の作成の準備も整った。
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