2005 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県における赤土流出防止対策に関する効果の定量的把握およびWEPP係数の算定
Project/Area Number |
16780172
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 助教授 (10253949)
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Keywords | 赤土流出 / 土砂流出防止対策 / WEPP |
Research Abstract |
沖縄県では、農業地域からの赤土流出の現状把握および、様々な赤土流出防止対策の影響評価のための赤土流出予測法が求められている。営農地では、土地利用状況、作物の生長や土壌表面の状態変化などのために土壌の侵食性が時間・空間的に大きく変わる。その為に、有効な予測手法が開発されていないのが現状である。これまで沖縄県では、一般的にUSLEが用いられてきた。現在、沖縄県が進めているGISを用いた赤土流出の危険度把握においてもUSLEが用いられている。USLEは単一圃場の年間単位の土壌侵食には適用範囲が広いが、土地利用の複雑な流域での経時的変化については適用範囲外であるという問題があり、沖縄で求められているモデルとして適切ではないといえる。そのような中、USLEの開発者であるUSDAは1985年からUSLEの弱点を克服すべく新たにWEPPモデルの開発を行った。WEPPモデルは作物や土壌状態の時間的空間的変化を追跡しながらの土壌侵食をシミュレーションでき、また営農における様々な人的要因も入力できるところに特徴がある。 上記の背景から、本研究ではWEPPモデルを用いて、赤土流出防止対策として行われている対策を定量的に評価する。本年度は、これまで見地観測を行っている恩納村の農業流域に対してWEPPモデルの適用を行った。その結果、降雨時間が長くピーク降雨強度の小さい降雨イベントにおけるモデルの適用では、計算値が大きくなることが認められた。またこれは、モデルにおいて計算される降雨の時間分布が実降雨と大きく違うことが原因であると考えられた。 また、赤土流出モデル化に関して、WEPP適用と平行して開発した集中型モデルの適用においても有効な適用結果を得た。
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