2005 Fiscal Year Annual Research Report
消化管筋層におけるカハールの介在細胞を介した神経伝達機構
Project/Area Number |
16790120
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯野 哲 福井大学, 医学部, 助教授 (40242854)
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Keywords | 消化管 / カハールの介在細胞 / 神経伝達 / ムスカリン性受容体 / グアニレートシクラーゼ / 一酸化窒素 / 抗体 |
Research Abstract |
カハール介在細胞の神経伝達における役割を解明するための研究を行った。 1,消化管筋層における主要な興奮性神経伝達物質であるアセチルコリンをカハール介在細胞が受容する能力を有しているかアセチルコリン受容体の発現を検討した。消化管筋層で最も発現の多いムスカリン性受容体M2サブタイプの分布をモルモットで検討したところ、一部のカハール介在細胞とほぼ全ての平滑筋細胞に発現が見られた。小腸においてはICC-DMPと呼ばれるカハール介在細胞の一群で強い発現があり、同時にNK1受容体を発現することを明らかにした(Neuroscience 2006)。 2,消化管節層における主要な抑制性神経伝達物質である一酸化窒素をカハール介在細胞が受容する能力を有しているか検討した。 (2-1)一酸化窒素は標的細胞内で可溶性グアニレートシクラーゼ(GC)を活性化しcGMPを産生する。GCのα1サブユニットとβ1サブユニットはウエスタンブロットによりモルモット筋層で発現していた。消化管筋層内のカハール介在細胞のほぼ全てと筋層間のカハール介在細胞の一部にGC免疫活性が観察された。 (2-2)一酸化窒素がカハール介在細胞内でGCを活性化しcGMPを産生するか検討した。摘出筋層標本にphosphodiesterase阻害剤IBMXとzaprinast存在下でSodium nitroprusside(SNP)またはElectrical field stimulation(EFS)による一酸化窒素刺激を行うと、カハール介在細胞と神経線維に高レベルのcGMP産生が観察された。一方、平滑筋細胞でのcGMP産生は少量であった。 これらからカハール介在細胞は一酸化窒素を受容する能力があると明らかになった(投稿準備中)。 3,カハール介在細胞を認識する抗体をc-Kitの部分ペプチドを抗原として作製した。
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