2004 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインによる脳内免疫監視システムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
16790137
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鈴木 俊二 愛媛大学, 医学部, 助手 (60372728)
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Keywords | ケモカイン / 脳内免疫監視システム / マイクログリア / マイクロアレイ |
Research Abstract |
マイクログリアが発現するケモカイン・ケモカインレセプターを網羅的にプロファイリングすることによって、ケモカインによる脳内免疫監視システムを解明することを試みている。平成16年度に遂行した研究内容は以下の通りである。 1、ケモカイン及びケモカインレセプター特異的マイクロアレイを用いて、ラット初代培養マイクログリアにおけるケモカイン・ケモカインレセプター遺伝子発現プロファイリングを行なった。その結果、マイクログリアは、外的刺激のない条件下で、多種多様のケモカイン・ケモカインレセプターを発現することが明らかになった。また、付随的に、ラット未同定のケモカインの発現をマイクログリアで確認できた。 2、上記したラット未同定ケモカインのうち、CCL6について遺伝子のクローニング、遺伝子発現及び機能解析を行なった。その結果、CCL6がグリア細胞間のコミュニケーションに関与する可能性が示唆された。得られた結果は平成16年9月21日-23日大阪で開催された第27回日本神経科学大会、第47回日本神経化学会大会合同大会で発表し、現在、Journal of Neuroimmunologyに投稿中である。 3、バクテリア由来リポポリサッカライド(LPS)をマイクログリアに処理し、マイクロアレイを用いてLPS誘導性のケモカイン・ケモカインレセプターの遺伝子発現を経時的にプロファイルした。その結果、LPS特異的に発現が増大する、あるいは減少する遺伝子群を決定することができた。平成17年5月18日-20日仙台で開催される第82回日本生理学会大会においてその研究結果を発表する予定である。 以上に述べたように、平成16年度は研究実施計画に基づいた研究が遂行され、十分の成果が得られている。引き続き平成17年度もケモカインによる脳内免疫システムに関する基礎的研究を遂行する。
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