2005 Fiscal Year Annual Research Report
RNAスプライシング因子SF3a66による微小管制御機構の解明
Project/Area Number |
16790163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹中 圭 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80372423)
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Keywords | SF3a66 / 微小管 / 微小管束化 |
Research Abstract |
RNAスプライシング因子SF3a複合体はメッセンジャーRNAのスプライシングに関わるU2snRNPの必須な構成因子の一つであり、分子量が60KDa,66KDa,120KDaの3つのサブユニットからなっている。研究代表者はこれまでの研究で、SF3a66が神経芽細胞腫、N1E115細胞において単独で神経突起形成を誘導すること、又、in vitroで高い親和性をもって微小管と結合し、微小管を束化させる作用があることを明らかにした。更にこのメカニズムとして、SF3a66がオリゴマー化し、微小管を架橋させる作用があることを発見した。 そこで、次ぎにこのような現像がin vitroや神経細胞以外でも観察されるのかどうか、またどの程度、普遍的生理的な現象かどうかを調べるため、Hela細胞を用いて実験を行った。SF3a66のRNA干渉法にてHela細胞にて発現量を抑制し、細胞染色にて細胞形態を調べた所、初期的な結果としてSF3a66が減少しているHela細胞は細胞死状の様子を示し、それに伴うと考えられる微小管、アクチンの染色の減少が認められたが、スプライシングの異常に起因すると思われる細胞死との区別は不可能であった。MAPs等の微小管結合因子は、細胞に発現させると微小管を束化させ、太い束状の構造体が細胞質内に観察される。そこで、SF3a66をHela細胞に強制発現させ、Hela細胞の微小管構造を観察した所、他の主要なMAPのように微小管が束化されるというような大きな変化は認められなかった。 以上の結果から、SF3a66はN1E115細胞のような神経系細胞特異的に微小管制御因子として機能しうる可能性が示唆された。
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