2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790199
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加藤 哲子 山形大学, 医学部, 講師 (40312730)
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Keywords | 卵黄嚢腫瘍 / RUNX3 / アポトーシス / メチル化 / APC |
Research Abstract |
まず、新しく追加された精巣卵黄嚢腫瘍と精巣卵黄嚢腫瘍由来培養細胞株について、RUNX3プロモーター領域のメチル化の有無と、同遺伝子の位置する染色体領域のLOHの有無を検討したところ、いずれにおいてもメチル化およびLOHが高頻度で検出され、RUNX3が本腫瘍の発生に関与している可能性がより強く示唆された。次に、メチル化やLOHが実際にRUNX3の発現低下に結びついているのか明らかにするために精巣卵黄嚢腫瘍由来培養細胞株についてRUNX3mRNAの発現状態をRT-PCR法で検討したところ、発現の低下が確認された。これらの結果にもとづき、RUNX3が卵黄嚢腫瘍発生に具体的にどのように関わっているのか、現在、アポトーシスの状態についてTUNEL法を用いた検討を進めている。 RUNX3の卵黄嚢腫瘍発生における役割を明らかにしていくにあたり、一方では、RUNX3以外のどのような癌抑制遺伝子・癌関連遺伝子が関わっているのかという情報も、RUNX3の全体における位置づけ・重要度を推し量るうえで欠かせない。しかしながら、RUNX3以外の遺伝子についてはほとんど絞り込まれていない、というのが現状であるため、まずp16,APC等、計8遺伝子のメチル化プロファイルについての検討を上記と並行して行なった。その結果、RUNX3と同様、消化管(およびその腫瘍)の発生に深く関わるAPC遺伝子のプロモーター領域メチル化が高率に検出され,免疫組織化学的にAPC蛋白発現低下との相関も確認された。APC遺伝子異常および染色体領域のLOHの検討も合わせて行ない、その結果は現在投稿中である。
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