2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチジルプロリルイソメラーゼPin1による細胞発癌メカニズムの解明
Project/Area Number |
16790230
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梁 明秀 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20363814)
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Keywords | ペプチジルプロリルイソメラーゼ / 細胞発癌 |
Research Abstract |
Pin1が癌治療のための分子標的として機能するかどうかを検定するため、Pin1の発現の元々高い2種類の前立腺がん細胞株PC3,LNCaPにPin1に特異的なsiRNAをレトロウイルスベクターを用いて定常的に発現させ、細胞増殖、浸潤転移能、血管形成能、ヌードマウス内での腫瘍形成能等について解析を行った。その結果、siRNAによるPin1発現抑制により細胞増殖、浸潤転移能、血管形成、コロニー形成能、ヌードマウス内での腫瘍形成能のすべてにおいて抑制が認められた。しかし、正常線維芽細胞ではPin1-siRNAによる増殖抑制は認められなかった。このことはPin1は細胞発癌だけでなく、細胞の悪性化に直接寄与し、また、癌治療におけるPin1が最適な分子標的である可能性を示唆するものである。次にPin1を分子プローブとして用いたリン酸化プロテオミクス解析を施行し、癌化または悪性化に関わる責任分子の同定を行なった。具体的には前立腺癌組織および細胞株でPin1に特異的に結合するリン酸化タンパク質をGST-pull down法にて回収し、ESI-Q-TOF-MSを用いて結合タンパク質の同定をおこなった。その結果、前立腺癌で特異的にPin1に結合するリン酸化タンパク質を数十種類同定した。現在これらのタンパク質の前立腺癌における発現、リン酸化、および病態との関連について、培養細胞および臨床検体を用いて検討中である。
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