2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790293
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松田 達志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00286444)
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Keywords | T細胞 / 細胞内局在 / トランスジェニックマウス / MAPK / 細胞内カルシウム濃度 |
Research Abstract |
T細胞の過剰な活性化は各種の自己免疫疾患やアレルギー性疾患といった弊害を引き起こすが、いったん活性化したT細胞がどのようなメカニズムで沈静化するのかについては未だ十分な解析がなされていない。本研究は、SPRY1によるT細胞不活性化機構の解明、ならびにT細胞の負のフィードバックに関与する分子の網羅的スクリーニングという二つのアプローチを通して、免疫系が備えている負のフィードバック機構の解明を目指すべく計画された。本年度においては、特にSPRY1の作用機序の解明に重点を置き、SPRY1のC末端に存在するSPRYファミリー間に保存された領域(SPRY homology region: SHR)がSPRY1の示すTCRシグナル阻害作用に必須であり、SHRを欠失した変異体は優性不能型変異体としてTCRシグナルを増強する事を明らかにした。そこで、野生型SPRY1のT細胞特異的トランスジェニックマウスの作製と並行してSHR欠失優性不能型SPRY1変異体のT細胞特異的トランスジェニックマウスの作製を進めつつある。現時点で、生殖系列に目的遺伝子が導入されたマウスが数系列ずつ得られており、次年度以降、これらマウスの解析を行う予定である。興味深い事に、SHR欠失SPRY1の細胞内局在が細胞質内に広く認められるのに対し、sPRY1は細胞質内の小胞に限局した局在を示す事が明らかになった。すなわちsPRY1の局在と、SPRY1の示す阻害効果の間に相関があることが示唆された。T細胞においては、これまでに報告のあるSPRYファミリーの作用と異なり、Ras/MAPK経路の活性阻害に加え,TCR刺激に伴う細胞内カルシウム濃度上昇の阻害が認められる。SPRY1の示すT細胞特異的な阻害がどのような分子機構によってもたらされるのか、その細胞内局在の制御機構の解明とともに、次年度以降の課題として取り組んで行きたい。
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Research Products
(1 results)