2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動によるインスリン抵抗性改善に関わる筋由来遺伝子群のプロファイリングと機能解析
Project/Area Number |
16790320
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
北島 桂子 島根大学, 医学部, 助手 (00332784)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 肥満マウス / 運動負荷 / 血糖値改善効果 |
Research Abstract |
肥満/II型糖尿病モデル動物であるob/obマウスは高インスリン血症、高コルチコイド血症、高血糖、インスリン抵抗性、中枢神経活動の変化、過食、褐色脂肪細胞の代謝率の低下、白色脂肪細胞の重量増加、生殖機能の低下などを特徴とする。 ob/obマウスに水中運動(30分/日、3週間)を負荷した群(運動負荷群)、運動負荷を行なっていない対照群、および野生型マウスの筋組織から、それぞれRNAを抽出し、単色cDNAマイクロアレイを展開し、発現解析を行なった。 運動負荷開始から空腹時血糖値を経時的に測定した結果、野生型マウスで108.1±16.9mg/dl、対照群で342.7±24.8mg/dl、運動負荷群で270.6±57.6mg/dlで有意差が見られたので、その筋組織を採取し、RNAを抽出した。常法によりcDNAマイクロアレイを展開し、肥満により発現低下、運動負荷により発現上昇する遺伝子をインスリン抵抗性改善因子とし、肥満により発現上昇、運動負荷により発現低下する遺伝子をインスリン抵抗性増悪因子とした。これらの条件に該当する66種の改善因子候補、82種の増悪因子候補を得た。これらについてデータベースを用いたホモロジー検索を行い、各候補遺伝子のマウスおよびヒト遺伝子座を同定した。日本人のII型糖尿病遺伝的素因として報告されている染色体領域に該当する領域に位置する遺伝子群を中心に、発現量の差異が大きいものから順次サブスクリーニングを行い、全長cDNAの塩基配列を決定した。また野生型、ob/obマウスの組織からRNAを抽出し、発現量の差異をRT-PCR、およびNorthern Blotにて確認した。 現在、インスリン抵抗性の改善増悪を左右する分子機構を明らかにするため、候補遺伝子の細胞内発現ベクターを構築し、筋芽細胞株C2C12に遺伝子導入、糖取込み量の測定や、糖取込みに関わる遺伝子群の発現解析を進めているところである。
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Research Products
(3 results)