2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊川 智之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40345046)
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Keywords | C型肝炎検診 / 生活の質 / 効用値 |
Research Abstract |
目的 HCV検診で陽性反応が出た者が受診行動を起こさない背景として受診者の知識や態度が関連していると思われる。そこで検診受診者の受診時におけるC型肝炎ウイルス及びその治療や検診に関する知識、不安などについて明らかにすることを目的とした調査分析を行った。 方法 調査は2005年11月及び12月に、調査協力の得られた関東H市が行ったHCV検診で行った。自記式アンケートにより属性(性・年齢・職業など)、罹患歴、SF-8(最近1ヶ月)、C型肝炎に関する知識、および検診結果やC型肝炎の進行を想定下での効用値などについて調べた。効用値の測定には、Visual Analog Scaleを用い、6つのC型肝炎に関する健康状態について回答を得た。 結果 HCV検診受診者252名のうち、参加に同意した者186名(73.8%)を対象とし、男性28名(15.7%)、女性150名(84.3%)であった。性や年齢、効用値について無回答だった35名は分析対象外とした。平均年齢55.2(SD:10.0)であった。C型肝炎の知識については、それぞれ正答率が「年齢が高い人ほど感染者が多い」14.7%、「昔うけた大きな手術には感染の恐れがある」53.6%、「長期間の血液透析には感染の恐れがある」33.1%、「ボディピアスや入れ墨には感染の恐れがある」28.5%、「現在、輸血による感染の恐れはほとんどない」19.9、であった。各健康状態の効用値の平均(標準偏差)は、現在の健康状態76.1(10.1)、未感染が判明84.7(18.6)、感染が判明37.1(24.4)、軽度の肝炎32.9(22.5)、重度の肝硬変21.0(22.9)、肝炎治療による副作用出現29.4(26.1)であった。 考察・まとめ 受診および受療行動に結びつきにくい背景には、C型肝炎に感染していることが判明した場合、検診の結果に対する低い効用と限られた知識が原因として考えられる。
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