2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790367
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒崎 直子 千葉工業大学, 工学部, 講師 (60337706)
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Keywords | 死体血液 / ウイルス感染 / HIV-1 / ウイルスDNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、血液中にあるエイズウイルス(HIV-1)が宿主であるヒトの死後、どの程度の期間感染力を有しているのかを検証し、また血液の死後変化(変性や腐敗)がその感染力の維持にどのように影響するのかを明らかにすることである。 本年度は、温度条件や保存期間を複数のパターンに設定して死体血液サンプルのモデルを作成し、溶血や感染細胞の変性を起こした血液中において、ウイルスDNAがどの程度まで生存可能であるかについて検証した。具体的には、様々な温度条件下で保存したエイズウイルス感染血液からDNAを抽出して、その中にウイルスDNAが保持されているかをPCR法にて検出した。その結果、3種類の温度条件(4℃,室温(22℃〜23℃),37℃)で保存したウイルス感染血液において、いずれもウイルスDNAが6日目までは保持されるが、10日目にはDNAの検出ができなくなることが明らかになった。このことは、腐敗がある程度進んだ血液においても、エイズウイルスのDNAが、宿主細胞の中で保存され続けることを示唆している。 現在、これら複数の温度条件で保存したエイズウイルス感染血液を新鮮血液(ウイルス非感染血液)と接触(共培養)させて、新鮮血液にウイルスを感染させる二次感染モデルを作成し、腐敗が進んだ血液からも二次感染が成立するか否かについて確認している。腐敗血液においてもエイズウイルスの感染能力が維持される場合には、腐敗度と感染能力維持期間の関連性について検討する方針である。
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Research Products
(6 results)