2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790370
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野中 英美 神戸大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (80372663)
|
Keywords | 生体時計 / 血圧日内変動 |
Research Abstract |
生体時計と生活習慣病の関わりを検討するうえで、循環器領域の立場からメタボリックシンドロームの一要素である高血圧に焦点をあて、血圧の日内変動と生体時計の関わりについて検討した。我々は以前にも高血圧モデルラットにおいて各臓器における時計遺伝子の発現振幅に変調をきたし、生体時計の出力遺伝子とされる線溶系抑制因子PAI-1遺伝子の発現が変化することを明らかにした(Hypertension,2003)が、本実験においては、生体時計の中枢である視交叉上核を破壊したラットを作成するとともに、生体時計の振動が消失したマウスであるCry1およびCry2を同時にノックアウトしたCry double Knockoutマウスを使用し、覚醒自由行動下における血圧、心拍及び行動をテレメトリーシステムを用いて測定し、光や食事などの外的因子と心血管機能との関連について検討した。その結果、内因性の血圧及び心拍の日内リズムは生体時計によって制御されていることが明らかになったが、心拍は血圧に比して外的因子の影響をより受けやすいことも明らかになった。また生体時計は血圧や心拍における日内リズムの安定性の保持にも重要であり、生体時計の障害により、血圧や心拍における短時間の変動性が増大し、臓器障害や心血管疾患発症を惹起しうる可能性が示唆された。 また我々は腎臓において、電解質及び酸塩基平衡の制御や血圧制御にも関与するNa^+/H^+ exchanger(NHE3)が時計遺伝子により直接的支配をうける出力遺伝子の一つであることを見出し、これを発表している。
|
Research Products
(2 results)