2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790370
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野中 英美 神戸大学, 大学院医学系研究科, COE研究員 (80372663)
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Keywords | 生体時計 / 血圧日内変動 |
Research Abstract |
生体時計と生活習慣病の関わりを検討するうえで、循環器領域の立場からメタボリックシンドロームの一要素である高血圧に焦点をあて、血圧の日内変動と生体時計の関わりについて検討した。本実験においては、生体時計の中枢である視交叉上核を破壊したラットを作成するとともに、生体時計の振動が消失したマウスであるCry1およびCry2を同時にノックアウトしたCry double Knockoutマウスを使用し、覚醒自由行動下における血圧、心拍及び行動をテレメトリーシステムを用いて測定し、光や食事などの外的因子と心血管機能との関連について検討した結果、内因性の血圧及び心拍の日内リズムは生体時計によって制御されていることが明らかになった。また生体時計は血圧や心拍における日内リズムの安定性にも重要であり、生体時計の障害により、血圧や心拍における短時間の変動性が増大し、臓器障害や心血管疾患発症を惹起しうる可能性が示唆され、一部臓器障害も認めた。 また心筋梗塞、不安定狭心症などの急性冠症候群、脳梗塞あるいは冠動脈スパスムは早朝に多く発症することが報告されているが、その一因として早朝の凝固系の亢進と線溶系因子の活性低下があげられる。凝固線溶系の重要な因子であるPAI-1の発現の日内変動が時計遺伝子によって制御を受けることが以前報告されたが、PAI-1発現はレニンアンギオテンシン系によっても制御を受けることはよく知られているため、Cry double Knockoutマウス及びアンギオテンシン受容体ノックアウトマウスを用い、各末梢臓器におけるPAI-1の日内変動発現について検討した。その結果PAI-1日内発現は臓器によって制御が異なることが判明した。
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