2005 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管の発達過程における有機アニオン輸送体(moatl、OATP-D)の解析
Project/Area Number |
16790461
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西尾 利之 東北大学, 病院, 助手 (10372301)
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Keywords | 尿細管 / 発達 / moat1 / OATP-D / 有機アニオン輸送体 |
Research Abstract |
本年度は、有機アニオン輸送体の腎臓内での局在をさらに詳しく解析し、siRNAの作成を試みた。 昨年、不明瞭であったMoat1のポリクローナル抗体の精製をさらに行い、免疫染色を行ったが、やはり特異性に乏しく腎髄質、遠位尿細管に存在するのを確認するのに留まった。再度、別のペプチドを抗原としポリクローナル抗体の作成を試みたが、やはり特異性の向上にはいたらなかった。今後、さらに特異性の高い部分を抗原とした抗体作製を計画中である。 レーザーマイクロダイゼッション法による尿細管各部位における有機アニオン輸送体のmRNAの解析は、凍結切片の切り出しにおいて、切片の厚み10μm、直径100μmの試料では安定したRT-PCRの結果が得られた。レーザーの焦点を絞ることによりさらに微小な尿細管単位のRT-PCRにも成功したが安定性をやや欠いた。胎仔、新生仔ラットの腎臓でも良好な結果が得られた。尿細管の部位特定のための染色を行った後のRT-PCRは非常に不安定であった。これは染色過程によるmRNAの損傷が考えられ、今後この段階での操作の簡略化を行いmRNAの損傷を防ぐ必要が認められた。 siRNAの作成は、ベクターへ組み込み発現実験を行ったが、有機アニオン輸送体の発現を抑制することができず、siRNAの産生が少ないためと考えられた。別のベクターへの組み込みも施行したが、やはりRNA干渉を得るに至らなかった。siRNAの産生は見られるが、有機アニオン輸送体のmRNAと干渉作用が不十分であったと考えられる。今後は、siRNAの設計を見直し、発現ベクターの改良が必要と考えられた。 以上のように、新技術の改良、確立はある程度の進行が得られた。
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