2004 Fiscal Year Annual Research Report
IGTにおける細胞内脂質量と糖代謝病態との関連性に関する研究
Project/Area Number |
16790515
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
吉井 秀徳 順天堂大学, 医学部, 助手 (70338416)
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Keywords | 肥満 / 耐糖能障害 / 細胞内脂質 / MRS / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
【方法】対象者はBMI30以上の30〜40代の男性肥満症患者20名。週1回来院させ、栄養指導と運動療法を3か月間継続した。この介入前後で75g-OGTT、^1H-MRSによる骨格筋および肝細胞内脂質量の定量的評価、ガス希釈法による体脂肪率の測定、栄養摂取調査、メモリー付加速度計による日常身体活動度をそれぞれ評価した。またインスリン抵抗性は人工膵臓を用いたグルコースクランプ法に経口ブドウ糖負荷を併用した生理学的検査法により評価した。 【結果】3ヶ月間の介入により、平均6.2kgの減量が達成された。また、糖質代謝、脂質代謝、血圧といった動脈硬化のリスクファクターはいずれも有意な改善を認めた。75g-OGTTにより評価した耐糖能についても、介入後では介入前に比較して有意に血中インスリン濃度、血糖値が低下し、インスリン抵抗性の改善による変化であると考えられた。骨格筋細胞内脂質量と骨格筋のインスリン感受性の指標である糖注入率にも有意な変化を認めなかった。しかし肝細胞内脂質は著明に減少し、それに伴って肝糖取り込みも有意な改善を認めた。 【結論】肥満患者に対する3ヶ月の指導により、軽度の体重減少がなされた。骨格筋のインスリン抵抗性、細胞内脂質はともに改善を認めなかったが、肝臓については、細胞内脂質は著明に減少し、同時にインスリン抵抗性も有意に改善した。以上より、肥満者に対する6.2kgの減量は、骨格筋ではなく、主に肝臓における糖質、脂質代謝を改善することが明らかとなった。
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