2004 Fiscal Year Annual Research Report
BCL6による悪性リンパ腫細胞のアポトーシス抑制機構の解明と新規治療法の開発
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16790532
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒須 哲也 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 助手 (40361696)
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Keywords | BCL6遺伝子 / 悪性リンパ腫 / ROS産生 / ミトコンドリア膜電位 / 分子標的療法 |
Research Abstract |
BCL6遺伝子の異常発現をもたらす染色体転座や発現調節領域の点突然変異は、悪性リンパ腫の遺伝子異常の中でも最も高頻度に認められ、悪性リンパ腫の発症や進展に重要な意義を有すると考えられている。悪性リンパ腫におけるBCL6遺伝子発現異常の意義を明らかにするため、リンパ腫細胞株にBCL6を誘導的に過剰発現する系を構築し検討を行った。BCL6の過剰発現は、血清除去や抗癌剤処理等の各種ストレスによる活性酸素種(ROS)産生の抑制と、ミトコンドリア膜電位(ΔΨ_m)低下の抑制とを介してアポトーシスを抑制する事が認められた。BCL6によるROS産生抑制およびΔψ_m低下抑制における分子機構を明らかのするため、検討を行った。ROS産生における防御機構因子であるsuperoxide dismutases, catalase, glutathione peroxidaseに対するBCL6の関与を検討するも明らかな関与は認められなかった。同様に、Δψ_m低下抑制機構に関して種々のBCL2ファミリー蛋白の発現に対するBCL6の関与を検討するも明らかな関与は認められず、BCL6によるROS産生の抑制及びΔψ_m低下抑制機構は他の経路が示唆された。最近、正常胚中心B細胞のみならず胚中心由来B細胞リンパ腫においてもBCL6はアセチル化され、不活生化されることが示された。悪性リンパ腫において脱アセチル化酵素阻害剤などを使用することにより、抗癌剤の感受性を高め治療効果を上げることに応用可能であると考えられた。BCL6が抗癌剤処理を含めた細胞ストレス時のROS産生抑制機構を介してリンパ腫細胞のアポトーシスを抑制は明らかであり、BCL6が新規分子標的療法の標的となりうることが示唆された。
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Research Products
(5 results)