2004 Fiscal Year Annual Research Report
カテコラミン不応性低血圧におけるバゾプレシンの動態解析
Project/Area Number |
16790614
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
江崎 勝一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80306349)
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Keywords | カテコラミン / クーロアレイシステム / アンギオテンシン / マススペクト / バゾプレシン |
Research Abstract |
昇圧効果をもたらす血管作動因子としては、カテコールアミンの中のノルエピネフリンやバゾプレシン、アンギオテンシンが挙げられる。 新生児は、血管透過性の亢進や血管拡張により、容易に血圧低下をきたしやすく、それを予防するために、出生直後からカテコラミンサージが起こることで血圧保持をする作用が備わっているが、それにも関わらず血圧の低下を認める場合がある。この場合、ドーパミン、ドブタミンなどのカテコラミンの適応となるが、不応性のものが散見される。この状態は、バソプレシンやノルエピネフリン量が飽和しており、血圧維持ができない状態であると想定されるが、これらの血管作動因子を測定する事は、採血量が多量になるために、不可能であった。 そこで我々は、以下の装置による測定法を開発、開発中であり、採血量が1mlと微量採血で血管作動因子を測定可能である。 ノルエピネフリンの測定には、クーロアレイ専用カテコールアミンキットを使用。装置は、電気化学検出器クーロアレイを使用し、測定条件として、移動相は0.75Mリン酸ニナトリウム,0.25Nトリクロロ酢酸,200mg/dlSDS,10mg/1EDTA-2Na(pH3.4):アセトニトリル:メタノール=85:10:5に、カラムはC18 4.6×150mm、温度は45℃、流速は1.2min/mlとした。検出条件は、ガードセル350mV、高感度セルE1=-50mV,E2=300皿mVとした。新生児検体を使用した検出限界は17.8pg/mlであり、検体量は、100から200μlにする事が可能となった。 アンギオテンシンは、マススペクトを使用して解析する方法を開発中であるが、従来の血清前処理法では有効な分析にはいたらず、独自に前処理法を検討した結果、現在アンギオテンシンの測定は可能となった。その他のペプチドに関しては現在検討中である。
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