2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫細胞の血管内皮細胞上における動態と転移能における細胞接着因子の役割
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16790624
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 武雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20332603)
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Keywords | セレクチン / 悪性黒色腫 / beta7 integrin |
Research Abstract |
悪性黒色腫の転移にセレクチンなどの細胞接着因子の関与が想定されている。またその一方腫瘍免疫に関わる血球細胞を病変部異に誘導するのにも細胞接着因子が果たす役割は大きい。我々は浮遊させた人悪性黒色腫由来培養細胞をプラスチック状で培養したhy.926細胞という血管内皮細胞由来の細胞上を流すことにより、悪性黒色腫細胞の血管内皮への接着の機構について検討した。hy.926細胞自体は殆どの既知の細胞接着因子は発現していない。この細胞を土台としてL-selectinに依存する接着を誘導するfucosyltransferase VIIを導入したものと、更にVCAM-1を導入したものを用いた。人悪性黒色腫培養細胞はhy.926細胞自体とは明らかな相互作用はみられなかったが、fucosyltransferase VII及びVCAM-1を導入することにより、一部接着がみられた。今後は他の培養細胞を用いたり、流れの条件を色々変化させて検討した。 腫瘍免疫に関わるという意味で血球細胞側の細胞接着因子に関しても検討を行った。我々は血球の移動に密接に関わるL-selectin及びbeta7 integrinを欠損したマウスを用いて、B16悪性黒色腫細胞を皮下に注射する実験を行った。L-selectin及びbeta7 integrinを欠損したマウスではコントロール群と比較して腫瘍の成長が促進された。
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