2004 Fiscal Year Annual Research Report
デスモグレイン4の皮膚組織における超微細局在の解明
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16790657
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石橋 正史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60317211)
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Keywords | デスモグレイン4 / lanceolate hair (1ah) mouse / 病理組織学 / 走査電顕 / 透過型電顕 / 蛍光抗体間接法 / 抗Dsg4ポリクローナル抗体 / 後包理免疫電顕法 |
Research Abstract |
近年、ヒトの遺伝性の脱毛症であるlocalized autosomal recessive hypotrichosisとマウスの遺伝性発毛異常であるlanceolate hair(1ah)mouseの解析の過程で、カドヘリンファミリーに属する新規の蛋白が同定され、デスモグレイン4(Dsg4)と命名されたが、1ah mouseにおいて、Dsg4をコードする遺伝子に変異があることが確認された。我々はまず、Dsg4ノックアウト(Dsg4-/-)マウスの表現型を解析することによって、毛包形成におけるDsg4の役割を検討する。Dsg4-/-マウスはひげを欠き、出生後非常に短い毛で覆われるも、数ヶ月以内で脱毛するという症状を示す。走査電顕で観察したところ、毛の不規則な径、形状、脆弱さ、及び、毛の先端の槍状構造が確認された。病理組織学的には表皮の肥厚、顆粒層の肥厚と共に、毛包の峡部、漏斗部、脂腺の発達、毛幹の正常な形態の喪失、内毛根鞘や毛皮質の異常なケラチン化、がみられた。毛球部のケラチン化した槍状構造物は、毛幹の成長に伴って、毛の遠位端に押し上げられる。現在、透過型電顕にてその微細構造を解析することで、毛器官の構造上の異常と、毛包の増殖と分化の調節異常との関わりについて検討中である。 更に、今後、抗Dsg4ポリクローナル抗体を作成し、得られた抗体を用いて、正常ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法にてDsg4の光顕的局在の解析を行い、また、抗Dsg4ポリクローナル抗体を用いて正常ヒト皮膚を基質とした後包埋免疫電顕法を施行することによって、正常ヒト皮膚におけるDsg4の電顕的局在部位、分布を解明していく予定である。いくつかのペプチド抗体作成を試みたが、反応性のあるものが得られていない。また、Dsg4-/-マウスにDsg4免疫を試みているが、満足な結果は得られていない状況である。
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