2004 Fiscal Year Annual Research Report
毛包における神経内分泌ペプチドの発現部位とその働きを解明する
Project/Area Number |
16790665
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
河野 美乃里 日本医科大学, 医学部, 助手 (80366731)
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Keywords | 毛包 / CRH / POMC / 器官培養 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
ストレスホルモンとして知られるCorticotropin releasing hormone (CRH)やProopiomel anocotin (POMC)の正常皮膚及び毛包、脂腺における役割を解明し、種々の皮膚疾患の病態形成にどのように関与しているか検討することを目的としている。これまで、マウスのヒゲ毛包を器官培養し、CRHやPOMCなどで免疫染色して共焦点レーザー顕微鏡を用い発現細胞を3次元的に同定した。次に毛包におけるCRH及びPOMCの発現の制御、調節機構とこれらホルモンの働きを解明するため、毛包のstem cellとこれらホルモンの働きに着目した。マウスにBrdUを投与し、72時間後及び8週間後に毛包を摘出し、免疫染色して共焦点レーザー顕微鏡によりstem cellの分裂能の指標となる抗BrdU抗体の陽性細胞とCRH、POMC陽性細胞を3次元的に観察した。その結果POMC由来ペプチドであるMSH産生細胞が抗BrdU陽性細胞と同様の分布を示すことがわかった。この結果を確認するため、マウスのヒゲを含む皮膚の切片を作り、抗BrdU抗体で染色し、陽性細胞をレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)によって取り出し、それらの細胞からmRNAを抽出して、RR-PCRによりCRH、POMCの発現を調べている。今後、CRHやPOMC発現細胞が毛のstem cellの性格を持つかどうかさらに検討するとともに、紫外線などのストレッサーの影響、免疫担当細胞との相互作用、種々の皮膚疾患の病態形成に、これらホルモンが果たす役割を検討する。
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