2004 Fiscal Year Annual Research Report
MMP‐2を標的とした体内動態化学制御型の新規腫瘍核医学診断薬剤の開発
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16790736
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助手 (30347471)
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Keywords | MMP / 癌 / RGD / イメージング |
Research Abstract |
Matrix metalloproteinase(MMP)-2は、癌細胞の増殖・浸潤・転移に重要な役割を果たすことが知られており、現在、癌治療のターゲットのひとつとなっている。このMMP-2の発現量は、癌の悪性度と関連することから、MMP-2の活性をインビボにおいて画像化することができれば、腫瘍の局在診断のみならず、核医学において重要である質的診断に非常に有用であると考えられる。 本研究では、生体内血清アルブミンのシステイン残基と結合する部位を有し、MMP-2で特異的に開裂することが知られているオクタペプチドをRI標識部位とのリンカーとして用いることにより、MMP-2活性と相関した集積を示すと考えた。また、MMP-2で開裂、放出されたRI標識化合物を癌組織に滞留させる方法として、癌の血管新生に深く関与しているαVβ3インテグリンと高い親和性を有するRGDペプチド配列の導入を考え、その有効性を検討するために^<111>In標識RGDペプチドを作製し、担癌マウスにおける体内放射能分布実験を行った。その結果、投与1時間後において9.54±3.20と高い腫瘍/血液比を示したことから、このドラックデザインにおけるRGDペプチド配列導入の有効性が示された。 この結果を受けて、MMP-2イメージング剤の前駆体としてペプチドGPLGIAGQKKRGDfを設計し、Fmoc固相合成法によるペプチド合成を行った。今後、このペプチドのリジンのεアミノ基に^<111>Inの配位子となるDOTAをペプチドN末端にアルブミン結合部位を導入後、^<111>In標識を行い、担癌マウスにおける体内放射能分布を調べる予定である。
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