2004 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子mda‐7による肝細胞癌に対する抗腫瘍効果の検討
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16790790
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
金井 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30338884)
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Keywords | Ad-mda7 / 癌抑制遺伝子 / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
マウス皮下腫瘍モデルでの抗腫瘍効果の検討 ヌードマウス磐部皮下に5×10^6個のHepG2細胞(ヒト肝細胞癌細胞株)を接種し皮下腫瘍を作成した。皮下腫瘍の体積が50mm^3〜100mm^3になった時点でmda-7遺伝子を組み込んだ5型アデノウィルス(Ad-mda-7)の投与を開始した。Ad-mda-7の投与は3回腫瘍内投与を行った。Ad-mda-7投与終了時から腫瘍径を計測、体積を換算し、 I PBS投与群(1日おきに3回、PBS100μ1を腫瘍内局注する) II Ad-Luc群(1日おきに3回、Ad-Luc5×10^9vp/dose/100μlPBSを腫瘍内局注する) II Ad-mda-7群(1日おきに3回、Ad-mda-75×10^9vp/dose/100μlPBSを腫瘍内局注する) の3群間で比較検討した結果、Ad-mda-7群は他の2群と比較して有意に腫瘍の縮小傾向が認められた。 次に腫瘍を摘出し重量を測定、ホルマリン固定し蛋白発現の検討、アポトーシスの発現の検討を行った。薬液投与量はPBS 100μlを基本量としこれにウィルス数として5×10^9個(viral particles: vp)を一回投与量とした。治療遺伝子に対する対照としてLuciferase遺伝子を発現するアデノウィルス(Ad-Luc)を同量用いた。摘出した腫瘍のTUNEL染色によりアポトーシスの有無を検討した結果、Ad-mda-7群において腫瘍細胞のアポトーシスが認められたが、他の2群においては同様のアポトーシスを示唆する所見は認められなかった。 このことより、Ad-mda-7はヒト肝細胞癌細胞に対してアポトーシスを惹起し、抗腫瘍効果を有すると考えられた。
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