2006 Fiscal Year Annual Research Report
5-アミノレブリン酸を用いた中枢神経系腫瘍の摘出と光線療法への臨床応用研究
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16790830
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
宇津木 聡 北里大学, 医学部, 助手 (90265653)
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Keywords | 5-aminolevulinic acid / glioma / interstitial irradiation / laser radiation / photodynamic therapy / photodynamic therapy / protoporphyrin IX / vascular endothelium |
Research Abstract |
雄のWister ratを用い、ネンブタール50mg/kgの腹腔内投与による麻酔下で、直径2mmのburr holeを作成し、10μ1のシリンジを用いて2mmの深さに1μ1の腫瘍細胞混濁液を注入し、脳腫瘍モデルを作成した。5-ALA-PDT群として、腫瘍移植後7日目に30mgの5-ALAを0.2mlの生食に溶解したものを腹腔内投与し、3時間後にburr holeを露出し、Dual-color laser diode system (DLD-R2,M&M Co.,Ltd.)を用い、640nm、670nm、640nm+670nmの照射を行った。640nm+670nmでの照射は、640nmと670nmが各々50mW/cmとした。5-ALA投与をせず、0.2mlの生食を腹腔内投与したものをPDT-control群として、同様に照射を行い、照射7日後に脳を摘出した。 昨年までの実験より、5-ALAの投与した群では、腫瘍のレーザー照射部分に一致した壊死がみられたが、壊死の範囲は狭くその周囲にはviableな腫瘍細胞の増殖がみられた。 そこで今回は、5-ALA投与後にファイバーを組織内に埋め込む組織内照射を行った。組織内照射を行うことで壊死の範囲は体積で約4倍の範囲となった。しかし、照射後に照射部位に出血を起こすratがみられた。こられの組織の免疫染色を行ったところ、血管内皮の損傷が認められた。これは、5-ALAが血管内皮にも取り込まれ、この部分でPPIXが蓄積し、一重項酸素が発生し血管内皮を損傷したものと考えられた。このときの照射条件は、100mW/cm、100J/cmであったため、この条件を変更し、 ・75mW/cm、100J/cm、・50mW/cm、100J/cm、・25mW/cm、100J/cm、・100mW/cm、75J/cm、・100mW/cm、50J/cm、・100mW/cm、25J/cmでの照射をそれぞれ5例ずつ試みた。50mW/cm、100J/cmと25mW/cm、100J/cm、では出血は見られなかったが、他の条件では出血が見られた。壊死範囲は、50mW/cm、100J/cmより25mW/cm、100J/cmの方がやや広い傾向にあったが優位な差は得られなかった。組織内照射を行う場合には、照射mW/cmが強いと血管の壊死をきたすために50mW/cm以下にする必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)