2004 Fiscal Year Annual Research Report
二分脊椎症に併発する歩行障害の病態解析:二足歩行二分脊椎モデルを用いた基礎的研究
Project/Area Number |
16790846
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
樅木 勝巳 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (70304615)
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Keywords | 二分脊椎症 / ニワトリ / 疾患モデル / 後肢運動障害 / 神経障害 / 神経発生 / 脊髄 / 免疫染色 |
Research Abstract |
椎弓の欠損を主徴とする非致死性脊髄奇形である二分脊椎症は、主に椎弓欠損のみの潜在性型と椎弓欠損に髄膜あるいは脊髄と髄膜の両方が巻き込まれる嚢胞性型とに大別され、その発生頻度は潜在性型:嚢胞性型=3:7の割合である。一般に潜在性型は無症状であるが、嚢抱性型は種々の程度の神経障害を示すことが知られており、成長した嚢胞性二分脊椎症患者は通常、この神経障害の改善のために数回の手術を負担せざるを得ない。したがって、この神経障害を改善するための治療方法の開発は希求されているが、その詳細な病態については不明な点が未だ多く残されている。 我々はこれまでに二分脊椎症で見られる神経障害の病態を詳細に解析することを目的として、ヒト二分脊椎症患者に似た後肢運動障害や骨変形を示す二分脊椎モデル動物を鳥類胚で開発した。平成16年度ではこのモデルにおける脊髄奇形領域における神経細胞の発生における変化について焦点を合わせ、実験を行った。すなわち脊髄の神経細胞サブクラスマーカーであるホメオボックス遺伝子産物に対するモノクローナル抗体を用い、本モデルの脊髄奇形領域における運動神経細胞及び介在神経細胞を染め分け、これらの数の変化を追跡した。 本年度に得た結果の多くは、本モデルの奇形脊髄領域では神経細胞の発生異常を示す所見を示していた。したがって、本モデルで見られる後肢運動機能障害は神経細胞の後天的な破壊によって起こされるだけでなく、脊髄神経細胞自体の発生異常も関与していることが考えられた。
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