Research Abstract |
本年度は,脊椎後側方固定におけるPLA-DX-PEG/β-TCP compositeのrhBMP-2に対する担体としての有用性を検証する為,家兎を用いた実験を行った.以下にその進歩状況につき記述する. rhBMP-2,PLA-DX-PEG,β-TCPを混合,攪拌し,粘土状の骨形成性人工骨を作成,これを手術により,家兎の腰椎両側横突起間に架橋するよう,埋植した.インプラント一つに対するBMPの含有量を,30,15,7.5μgとした群を作成,各々n=5とした.また,対照群として,BMP非含有の群と,自家腸骨移植を行った群を作成した.評価は2週毎の単純X線,CT撮影,6週後に屠殺,腰椎摘出し,徒手検査での脊椎固定率の評価,力学試験での定量的評価,脱灰標本での組織学的検討を行った. その結果,X線像において,BMP30μg,15μg群ではインプラント埋植部の経時的な骨形成像を認めた.6週後摘出検体においては徒手検査でのBMP3μg,15μg群の脊椎固定率は100%であり,BMP7.5μg群,BMP非使用群,自家骨移植群は各々,40%,0%,40%であった.力学試験における評価では,BMP30μg,15μg群はBMP非使用群と比し,有意に高い強度を示した.組織学的検討ではBMP15μg群において横突起間の新生骨による架橋を認めたが,BMP非使用群において新生骨は認めず,残存したβ-TCPを認めた. 本実験では,同じく家兎を使用した過去の報告と比し,脊椎固定に要するBMP量は約1/6と顕著に少なく,PLA-DX-PEG/β-TCP compositeのrhBMP-2に対する担体として有用性が示された.次年度は,さらに大型の動物を使用し,その有用性を検証する予定である.
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