2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症に対する自家骨髄幹細胞移植効果の検討-骨粗鬆モデルラットを用いて-
Project/Area Number |
16790859
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
福田 登 関西医科大学, 医学部, 助手 (30368253)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 骨髄移植 / ステロイド家兎 |
Research Abstract |
近年骨髄内未分化幹細胞は生体内のさまざまな組織に分化することが示されるようになり、種々の研究や臨床応用が報告される。今回我々は今後社会的にも問題になるであろう骨粗霧症の治療に応用するための基礎的実験として骨粗鬆モデル動物でその効果を検討した。当初我々は卵巣摘出ラットを骨粗鬆モデルラットとして用いることを試みた。骨髄採取量と卵巣摘出の手技的な問題から、検討が不具合となったため家兎にステロイド投与によるステロイド骨粗鬆症家兎に変更し検討した。 方法:対象は成熟雄日本白色家25羽とした。メチルプレドニゾロンを筋注を週に1回、6週間継続した5羽を作製し、骨粗鬆の発生を検討した。組織学的に大腿骨を評価したが、全例に骨萎縮と骨梁の菲薄化を認め、骨粗鬆の発生しているものとした。同様の手法で20羽中10羽には反対側の大腿骨から採取した骨髄から分離した単核球を大腿骨内に注入した。(骨髄移植群)そのコントロールには単核球のかわりに生理食塩水を注入した5羽(生理食塩水群)と、何も注入しない5羽(未処理群)とした。骨髄注入後4週で屠殺し大腿骨を組織学的に検討した。 結果と考察:生理食塩水群と未処理群は同様の骨粗鬆像であったが、骨髄移植群では骨梁の菲薄は軽度でありその有用性が示唆された。また各群2羽、屠殺時に膀胱より尿を採取し、骨形成能評価として骨アルカリフォスファターゼと骨吸収能評価としてデオキシピリジノルを測定した。各群においてその測定値に明らかな差は見いだせなかった。この結果では骨髄移植は局所の骨再生には有用である可能性があるが、骨髄移植後4週での評価のためか全身への抗骨粗鬆効果は明らかでなかった。
|