2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790883
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
柏田 政利 宮崎大学, 医学部, 助手 (20336316)
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Keywords | 水棲カタツムリ / 重亜硫酸ナトリウム / リドカイン / 神経細胞 / 神経毒性 |
Research Abstract |
局所麻酔薬の神経毒性は、細胞内カルシウム濃度の増加や細胞膜への直接作用が原因の一つと考えられており、重亜硫酸ナトリウムが、培養細胞の形態学的変化と細胞内カルシウム濃度変化を抑制するならば、局所麻酔薬の神経毒性を軽減すると仮定した。今年度は、水棲カタツムリの培養細胞を用い、リドカインによる神経毒性を、重亜硫酸ナトリウムが形態学的に抑制するかどうかを調べた。 以下の実験方法で行った:水棲カタツムリの殻を除去し、実体顕微鏡下で背側から切開し、中枢神経を露出する。取り出した中枢神経を、トリプシン処理する。次に、0.35μMのグルコースを加え、高浸透圧にした培養液の入ったディッシュ内にピンで止める。神経細胞を摘出し培養する。水棲カタツムリ用生理食塩液は、NaCl 51.3nM;KCL 1.7mM;CaCl_2 4.1mM;MgCl_2,1.5mM;Hepes 10mM,pH 7.9。培養液は、Liebowitz L-15 medium (GIBCO)を水棲カタツムリ用生理食塩液に溶解する。条件培養液として、中枢神経を培養液に48時間以上浸けた液(1個/1mL)を添加する。中枢神経細胞を条件培養液の入ったディッシュにて培養する。 16 24時間後に、倒立顕微鏡を用いて観察した。その結果、培養細胞は、伸びた神経突起と成長円錐を認めた。ディッシュ内のリドカイン濃度を100μM、1mM、10mM、100mMにし、30分後と24時間後に細胞体、神経突起、成長円錐を観察し、デジタルカメラで記録した。同様に重亜硫酸ナトリウム濃度を0.05、0.1、0.2%にして行った。次に、局所麻酔薬と重亜硫酸ナトリウムの混合液を用い、細胞体、成長円錐、神経突起の破壊が形態的に抑制されるかを比較した。 両者とも濃度依存的に細胞毒性を生じる傾向がある。重亜硫酸ナトリウムがリドカインの神経毒性を抑制するかどうかは、データ収集中である。
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