2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790916
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
尾澤 彰 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (90363241)
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Keywords | 膀胱腫瘍 / ヒストン脱リン酸化酵素 / ヒストン脱リン酸化酵素阻害剤 / BBN / real time PCR |
Research Abstract |
最近、種々の腫瘍において、ヒストン脱アセチル化酵素の過剰発現が腫瘍の発生や進展と大きな関わりを持つことが報告されています。しかしながら、膀胱癌におけるその関与はいまだ充分に解明されていません。昨年度の本研究により、膀胱癌摘除標本もしくは生検標本中に発現するヒストン脱アセチル化酵素mRNA量や蛋白量が、膀胱癌組織内で正常組織内に比較し明らかに増加していることが確認されたため、本年度はさらに症例数を増やすとともに、マウス膀胱発癌モデルを用いて、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の治療薬としての可能性を探りました。実験的膀胱発癌モデルとして、BBN投与マウスを使用し、週齢を追って屠殺し、膀胱を摘出しました。腫瘍が発生していることを肉眼的に確認し、real time PCR法を用いてヒストン脱アセチル化酵素mRNA量を測定し、時系列でその発現量を比較しました。またこのモデルに対し、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を継続して投与し、抗腫瘍効果を検討しました。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、ヒストン脱アセチル化を阻害することにより、腫瘍細胞に細胞周期制御蛋白の発現変化や細胞増殖シグナル分子の阻害を介した細胞周期停止やアポトーシスを誘導し、増殖を抑制すると思われます。また血管新生阻害作用を持つとも言われており、それらメカニズムについても明らかにする予定です。
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