2005 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱平滑筋におけるムスカリン性アセチルコリン受容体の役割と機能的意義
Project/Area Number |
16790919
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
稲留 彰人 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (20336241)
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Keywords | 膀胱平滑筋 / アセチルコリン / ムスカリン受容体 / 膀胱内圧測定 |
Research Abstract |
昨年までの研究において、膀胱平滑筋には様々なムスカリン受容体が存在し、その役割がサブタイプにより異なることがin vitroにおいて示唆された。そこで、本年はin vivoで同様の作用があるか検討するために、ラットを実験動物として、In vivoで骨盤神経を電気刺激し、膀胱内圧測定を行う方法の確立を行った。 生後2ヶ月の雌性S-Dラットを900mg/kgのウレタンの皮下投与にて麻酔後、開腹し、両側尿管を同定し結紮切断した。膀胱内圧測定は経尿道的に20Gのアンギオカテーテルを膀胱内に挿入し、外尿道口とともに結紮し固定した。膀胱内には排尿反射が起こらない最大量の生理食塩水を注入しておき、このアンギオカテーテルを圧トランスデューサに接続し、圧変化を記録した。 骨盤神経は手術用拡大鏡を用いて確認し、片側の骨盤神経は結紮切断し、残りの骨盤神経を十分剥離した後、結紮切断し、末梢側は糸をかけて確保しておいた。その糸を用いて骨盤神経をフック型双極電極に乗せ、ビニールにて絶縁し、電気刺激(duration 1msec、frequency 10Hz、train 60sec)を1分間隔で5回行った。 骨盤神経の電気刺激により、膀胱内圧は二相性に収縮反応を示した。また、周波数依存性にその収縮反応は増加反応を示した。 以上の実験からラットにおいてin vivoでの骨盤神経刺激による膀胱内圧測定が可能であることが確認された。今後、この実験系においてin vitroでのマイクロダイアリシスの方法を応用し、アセチルコリンの回収、測定法を確立していき、さらに薬剤の投与を行うことでムスカリン受容体のサブタイプの役割を検討していく予定である。
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