2005 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石モデルマウスの作成と遺伝子組み換え動物を用いたオステオポンチンの機能解析
Project/Area Number |
16790922
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (40326153)
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Keywords | 尿路結石 / モデル動物 / 遺伝子組み換え動物 / オステオポンチン |
Research Abstract |
私達は結石内の有機物質としてオステオポンチン(OPN)を同定し、結石形成に必須であることなどを示してきた。OPNは結石中で最重要なマトリクスであるのみならず、ケモカインとしても作用し、多段階からなる結石形成で各段階において作用が異なり、詳細な検討が必要である。結石研究は蓚酸前駆物質をラットに投与したモデルが使用されてきた。近年、遺伝子組み換えマウスを用いた研究がひろく行われているが、結石モデルマウスは報告がなく、結石モデルマウスを確立し、作成したOPNノックアウトマウスでOPNの機能を検討した。 結石モデルラットでは蓚酸前駆物質のethylene glycolを飲水投与方法が一般的であるが、マウスでは結石ができない。蓚酸前駆物質のうちglyoxylate(100mg/Kg)をマウスに腹腔内投与することで結石モデルマウスを確立した。この結石モデルマウスでは結石が徐々に形成された後、減少し、消失する現象が確認出来た。Gyoxylate投与とethylene glycolの投与では、ともに尿中蓚酸排泄量が増加するものの、ethylene glycolの投与では結石が形成されず、glyoxylateの投与では結石が形成される。両者を投与したマウス腎を免疫染色し、glyoxylate投与ではSODの発現が低下し、酸化ストレスが強くなるために、結石が形成される機序を推察した。 OPNノックアウトマウスに結石モデルマウスと同条件でglyoxylateを投与し、経日的にsacrificeし、結石形成について検討したところ、OPNノックアウトマウスでは結石形成が遅れ、結石の消失が行われないことを確認した。また、結石モデルマウスでは尿細管中の蓚酸カルシウム結晶は花弁状に成長するものの、OPNノックアウトマウスでは砂状で成長せず、OPNが結石の成長に重要であることを示した。
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Research Products
(4 results)