2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型からみた異常妊娠における母児境界面免疫反応の検討
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16790964
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
北宅 弘太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00336736)
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Keywords | 子宮内膜 / 脱落膜 / NK細胞 |
Research Abstract |
増殖期のヒト子宮内膜には少ない子宮NK細胞が排卵後に急増する現象について、ケモカインinterleukin(IL)-15が大きく関与していることを明らかにした(Kitaya K et al., Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism,2005,in press, epub Feb 15)。[L-15は子宮NK細胞に類似した末梢血CD16陰性CD56陽性NK細胞に対して選択的遊走作用を示した。また分泌期子宮内膜中の可溶分画蛋白を抗IL-15モノクローナル抗体で中和したのちに、末梢血リンパ球遊走試験に用いると、遊走する末梢血CD16陰性CD56陽性NK細胞の割合が有意に減少した。他の候補ケモカインと比較しても、この中和効果はIL-15に著名であった。すでにIL-15が子宮内膜に発現する(とくに排卵後には血管領域に強く発現する)こと(Kitaya K et al., Biol Reprod,2000;63:683-687)、またIL-15が子宮NK細胞に対して増殖作用を示すこと(Kitaya K et al., Fertility and Sterility. 2003;79 Suppl 1:730-734)を報告してきたが、今回の結果とあわせて、IL-15が子宮内膜において、排卵後のCD16陰性CD56陽性NK細胞の末梢血からの選択的取り込み(selective recruitment)および内膜内での増殖(in situ proliferation)の双方の現象において、中心的な役割を担っている可能性が強まった。
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Research Products
(1 results)