2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型からみた異常妊娠における母児境界面免疫反応の検討
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16790964
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
北宅 弘太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00336736)
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Keywords | 子宮内膜 / selectin L ligands / chondoroitin sulfate proteoglycan 2 / CD16(-)NK細胞 |
Research Abstract |
子宮内膜には末梢血や他の粘膜組織には少ないユニークなCD16(-) natural killer(NK)細胞が存在する。その数は排卵後に急増することから胚の子宮内膜への着床に関与していることが推測されている。このNK細胞の由来は明らかではないが、末梢血に少ないながらも存在するサブセットが高い選択性をもって排卵後(分泌期)の子宮内膜へホーミングする可能性が考えられる。今回リンパ球のホーミングに必須の接着因子であるselectin Lの末梢血CD16(-)NK細胞表面における発現と8種類のselectin L ligandsの子宮内膜における発現について明らかにした。6種類のselectin L ligandsの子宮内膜における発現を認めた。これら6種類のうち子宮内膜血管内皮細胞に局在していたのはpodocalyxin-like(PODXL)、MADCAM1、chondoroitin sulfate proteoglycan 2(CSPG2)の3種類であった。子宮内膜血管内皮細胞においてPODXLは月経周期を通して弱く、MADCAM1は分泌期後期を除いて弱く発現していた。一方、CSPG2は、増殖期に比較して分泌期を通して強く発現しており、子宮内膜に存在するCD16(-) natural killer(NK)細胞数との間に強い正の相関をみとめた。末梢血CD16(-)NK細胞は他のリンパ球サブセットと比較してselectin Lを細胞表面に強く発現したが、月経周期にともなう発現率の変化は見られなかった。以上より子宮内膜のselectin L ligandsとくにCSPG2の排卵前後での発現の変化が、末梢血末梢血CD16(-)NK細胞の子宮内膜へのホーミングに関与している可能性が示された(Yamaguchi T et al.,Biology of Reproduction,2006;74:35-40)。
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Research Products
(1 results)