2005 Fiscal Year Annual Research Report
シアリダーゼの発現が卵巣癌の腹膜播種形成に及ぼす影響とその作用機序の解明
Project/Area Number |
16790968
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
玉田 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286538)
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / 糖鎖 / 病理学 |
Research Abstract |
ヒトのシアリダーゼNEU3蛋白に対するモノクローナル抗体を用いて、卵巣明細胞腺癌80症例(当院初回手術標本)の免疫組織化学染色を施行した。シアリダーゼ3(NEU3蛋白)の発現量と臨床病態との相関を明らかにする目的で解析を行った結果、シアリダーゼ3の発現量と卵巣明細胞腺癌のFIGO進行期分類や生存予後との間には相関を認めなかったものの、癌性腹膜播種の有無との間で有意な相関を認めた。免疫組織化学染色で得られた結果がin vitroにおいても再現できるかどうかを確かめるため、まず、NEU3 cDNAを導入した発現ベクター(タグとしてc-末側にGFPも導入)を作製した。つぎにRT-PCRの結果(前回報告済み)に基づいてNEU3発現がきわめて低い2種類の卵巣癌細胞株へ遺伝子導入し、おのおののNEU3高発現株を作製した。遺伝子導入株のcloning手法としては、GFPの蛍光強度を指標にflow cytometerを用いて遺伝子導入株の選別を行った。mock株(GFPのみを組み込んだベクターを遺伝子導入したもの)においても同様の手法を施行し細胞集団の選別を行った。 今後は由来の異なる卵巣癌細胞株2株において作製したNEU3高発現株とmock株を用いて、われわれの実験室にてすでに開発済みのin vitro癌性腹膜播種モデルやin vivo癌性腹膜播種モデルでの比較検討を行うことと、各遺伝子導入株のシアリダーゼ活性を検討する予定である。
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