2004 Fiscal Year Annual Research Report
鼻副鼻腔の炎症・アレルギーとグルココルチコイドレセプターに関する研究
Project/Area Number |
16791019
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
工藤 睦男 昭和大学, 医学部, 助手 (10349079)
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Keywords | グルココルチコイド / レセプター / 気管支喘息 / 好酸球 / 鼻茸 |
Research Abstract |
鼻茸に対するグルココルチコイドの効果を考える上で,好酸球に発現するグルココルチコイドレセプターは非常に重要である。 そこで手術時に得られた13個の鼻茸を用いて免疫組織化学的検討をおこなった。鼻茸を好酸球顆粒タンパクのひとつであるMBPとグルココルチコイドレセプター(α+β)の抗体で二重染色し,喘息合併症例(7例)と非合併症例(6例)とで比べると,喘息を合併した症例のほうがMBP陽性細胞の比率,MBP陽性細胞に占めるレセプター陽性細胞の比率が優位に高値であった。つまり,喘息合併例のほうがグルココルチコイドレセプターを発現した好酸球の数が多く,この豊富なレセプターを介して,より強くグルココルチコイドが作用を発揮できるのではないかと考えられる。 さらにMBPとグルココルチコイドレセプターβ抗体で二重染色し,グルココルチコイドレセプター(α+β)抗体の場合と比較した。MBP陽性細胞がαまたはβのいずれかを発現していた割合は約4割であったのに対し,βだけを発現していたものはわずか1割程度であり,鼻茸中好酸球に発現するグルココルチコイドレセプターはαが優位であることがわかった。しかし,ステロイド抵抗性の喘息症例のように,鼻茸においてもβを多く発現している病態があるのだとすると,ステロイド抵抗性の鼻茸,慢性副鼻腔炎と関連している可能性があり,今後はどのような病態でグルココルチコイドレセプターβの発現が増加するのかについても検討していきたいと思う。
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Research Products
(1 results)