2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔腫瘍細胞を用いてフェノール関連化合物の抗炎症作用とアポトーシス誘導を探る
Project/Area Number |
16791255
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
荻原 孝子 明海大学, 歯学部, 助手 (30337505)
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Keywords | フェノール化合物 / NO産生 / 細胞毒性 / RAW264.7細胞 / LPS / iNOS |
Research Abstract |
フェノール化合物は歯科用薬剤として歯科臨床に日常使用されている。フェノール化合物は抗酸化作用、抗炎症作用が知られており、これらの作用・メカニズムを明らかにするためフェノール化合物(フェノール、m-クレゾール、チモール、フェルラ酸、カフェイン酸、クマリン酸)、フェノール化合物の脱水素重合体(DHP-カフェイン酸、DHP-パラクマリン酸)のマクロファージ様細胞(RAW264.7細胞)に対する細胞障害性を検討した。また、これらの化合物がリポ多糖(LPS)で刺激されたRAW264.7細胞による一酸化窒素(NO)産生を抑制するか否かも検討した。その結果、細胞障害性はカフェイン酸>DHP-カフェイン酸>DHP-パラクマリン酸>フェルラ酸、クマリン酸>フェノール>m-クレゾール、チモールの順となりカフェイン酸が最も細胞障害性が強く、m-クレゾール、チモールが最も弱かった。次にLPS刺激RAW264.7細胞におけるNO産生を抑制する活性は、m-クレゾール<チモール<フェノール<クマリン酸<フェルラ酸<DHP-パラクマリン酸>DHP-カフェイン酸>カフェイン酸の順に強くなった。 さらにフェノール、m-クレゾール、チモールについてはLPS誘導性iNOS遺伝子発現を抑制するか否かについて検討したところLPS誘導iNOS発現についてフェノール、m-クレゾール、チモールの添加でほとんど抑制しなかった。 LPS(+)でCC_<50>/EC_<50>(SI値)をみると、この中でもフェノール化合物の脱水素重合体は細胞障害性を与えない濃度でLPS誘導性NO産生を強く抑制した。
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