2004 Fiscal Year Annual Research Report
心拍出量の連続的モニタリングによる歯科外来患者の治療中の安全性の向上
Project/Area Number |
16791261
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松浦 由美子 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (00366189)
|
Keywords | NICOモニター / 心拍出量 / 連続モニタリング |
Research Abstract |
NICOモニターは、Fickの原理を応用し尿酸ガスを一部再呼吸させた時の炭酸ガス産生量の変化と終末呼気炭酸ガス分圧の変化により心拍出量を測定するモニターである。今回、NICOモニターを用い、歯科診療中の患者の心拍出量を非侵襲的にまた、連続的に測定することで、歯科治療に起因する循環動態の変動を早期に予測し安全性を向上できるか検討した。平成16年度は、健康ボランティアにて研究方法の確立を行った。 本研究では、NICOモニターを歯科治療中の患者に用いるため、最初に意識下において心拍出量、心係数、一回心拍出量、二酸化炭素放出量、肺胞換気量、終末呼気二酸化炭素濃度の測定が行えるかを検討した。麻酔用フェイスマスクをヘッドバンドで固定し皮膚に密着させた。酸素と空気をそれぞれ2L/h、1L/hの流量で投与した。測定項目は、安定した値を示した。次に歯科治療中を想定し、鼻呼吸下における各項目の測定が行えるかを検討した、測定のためのマスクは、笑気吸入鎮静法に使用する鼻マスクを用いた。鼻マスクの固定には、専用のヘッドストリップスを用いた。NICOモニターでの測定において重要なことは、呼吸のリークをなくすことである。そのため、鼻マスクを顔面に密着させるために麻酔回路の角度およびマスクの空気量を調整した。酸素と空気の流量は、フェイスマスク使用時と同様とした。各測定項目は、心拍出量4.1±0.2L/min、心係数2.8±0.1L/min/m^2、一'回心拍出量85±4.2ml、炭酸ガス排出量180±11.3m1、肺胞換気量5376±158.4ml、終末呼気二酸化炭素濃度40±1.4mmHgと熱希釈法などのデータと大差なく、本方法で研究が行えると考えられた。 本年度の結果より来年度は、歯科治療下での研究を行う予定である。
|