2004 Fiscal Year Annual Research Report
救急領域における死を看取る援助-看護実践能力を修得するために必要な教育について-
Project/Area Number |
16791361
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
森木 ゆう子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (70374163)
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Keywords | 救急領域 / 家族援助 / 看護実践能力 |
Research Abstract |
今年度は、平成14年から15年にかけて収集した、救急領域で熟練看護師が行っている患者死亡時の家族援助についてのデータを再分析し、熟練看護師が家族援助を行えるようになった発達プロセスと、熟練看護師が行っている患者死亡時の家族援助の実践内容を明らかにした。 その結果、熟練した家族援助の実践には、「患者の尊厳を守りながら最善の患者ケアを行う」、「家族を多角的にとらえる」、「家族を支える」、「家族の感情表出をはかる」、「情報を提供する」、「情報を共有する」、「家族成員同士で支えあえるように家族関係を整える」、「患者と家族の関係を整える」、「家族援助ができるように業務を調整する」というカテゴリーを見いだした。これらのカテゴリーとカテゴリーを構成するサブカテゴリーをもとに、救急領域における死を看取る援助の実態を調査するための質問紙を作成し、研究2年目に向けて、質問紙の配布と、データの収集・分析の準備を進めている。 また、熟練した家族援助を行えるようになった発達プロセスとして、「家族援助を実践するゆとりがない」、「家族援助実践へのとまどい」、「家族援助に関する知識の不足」、「家族援助実践に対する評価を行う」、「積極的に家族援助を実践する」、「知識の増大と整理」というサブカテゴリーを見いだした。しかし、家族援助の実践能力を獲得するまでに至った経過や明確な獲得時期について明らかにすることができなかったため、研究の2年目の分析において明らかにするのが課題である。
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