2004 Fiscal Year Annual Research Report
周産期の女性の心身社会的変化が夫婦の性意識・性行動に及ぼす影響に関する研究
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16791397
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
玉熊 和子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (70315547)
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Keywords | 妊産婦の性 / 妊娠中の性生活 / 産後の性生活 / セクシュアリティの看護 / 性の健康 / セックスレス |
Research Abstract |
本研究は、周産期の夫婦の性意識・性行動を「性交」という観点だけではなく、心身社会的変化による影響や夫婦の関係性、親役割の観点から明らかにし、それを基に看護者として周産期の夫婦の性についてのケアを検討することを目的としている。今年度は、産後育児中の母親を対象に、妊娠・分娩による心身社会的変化が妊娠中および産後の性生活や夫婦の関係性にどのように影響しているかについて面接調査を実施した。面接調査に先立ち、文献検討および面接調査マニュアル(倫理的配慮および質問内容を含む)を作成した。文献検討では、先行研究より国内外の研究状況を把握するとともに、「妊産婦の性」を取り巻く近年の動向について検討し(1)「妊産婦のセクシュアリティ」という視点の欠如、(2)「性の健康」の視点の必要性、(3)パートナーとの関係性としての「性的関係」の3点が明確化されるべき課題として挙げられた。以上よりリサーチ・クエスチョンとして、(1)性に対する身体的・生理的満足度、(2)妊産婦のセクシュアリティ、(3)性行動に関する主体的な意思決定および方法の選択、(4)肯定的な性行動、(5)パートナーとの関係性としての「性的関係」をあげ、本研究の主旨に同意の得られた妊娠後期から産後1年6ヶ月までの女性6名を対象に面接調査を実施した。結果としては、(1)それぞれの妊娠・分娩経過を受容し「産む性」を肯定している、(2)非妊時に比して「性」を意識するようになった、(3)妊娠後にパートナーとの性的欲求に差がありそれを解決すべくコミュニケーションスキルを持っていない、(4)性的関係が夫婦の関係性と関連していることを妊娠後に認識し始めた、(5)産後のセックスレスにより関係性の希薄化の心配があるということがあげられた。これらの結果と専門的知見の提供を基に質問紙の内容を検討中であり、次年度は妊娠後期、産後3・4ヶ月、産後7・8ヶ月、1歳6ヶ月の女性とパートナー計500組を対象とする質問紙調査を実施する予定である。
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