2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の超精密ナノ計測を実現する光ナノグリッド基準の自律校正
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16F16367
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 裕樹 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70606384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN XIUGUO 東北大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 精密計測 / 生産工学 / 加工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,次世代の超精密ナノ計測を実現する光ナノグリッド基準の自律校正の実現を目的とし,XYナノグリッド定在波を高安定ガラス基板レジスト層に露光して,サブマイクロメートルピッチ正弦波光ナノグリッド基準を製作する手法を検討する.レーザ波面を三つに分割して干渉させてXY ナノグリッド定在波を生成するための波面分割光学系に,XYビーム干渉による定在波の歪成分を解消するための偏光変調制御法を組み合わせて定在波を生成する.また,この生成定在波をガラス基板上に構成した薄膜レジスト層に露光してナノグリッドパターンを構成する.さらに,作成したナノグリッドについて,複数のグリッド回折光波面から校正基準を自律的に創製するという,自律校正の新原理によって,光ナノグリッド基準と評価用干渉形状測定機の誤差成分を分離して求める手法を検討する. 初年度となる28年度は,サブμmサイズのピッチ及び正弦波状のプロファイルを有する光ナノグリッド基準を創成する,光干渉グリッド定在波転写システムの光学系設計を進めた.対称なプロファイルを有する高精度ナノグリッド基準創成のため,波動工学をベースとした理論解析に基づく光学系設計を試みた.設計の妥当性については,波動光学シミュレーションをもとに偏光制御の有効性を検証し,その光学設計の最適化を試みた.この設計に基づく光学系プロトタイプを構築し,提案の偏光制御によりXYビーム干渉による定在波の歪成分を解消できることを実験的にも明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度の目標である,光干渉グリッド定在波転写システムの光学系設計を計画どおりに遂行できた.また,設計に基づく光学系プロトタイプを構築し,その有効性を実験的にも明らかにすることができたことから,研究の目的達成に向け,概ね順調に進んでいるものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる29年度は,当初の予定どおりに,前年度に試作した光干渉グリッド定在波転写システムの基礎特性に関する実験的検証を進めるとともに,複数のグリッド回折光波面から校正基準を自律的に創製する自律校正の新原理によって,光ナノグリッド基準と評価用干渉形状測定機の誤差成分を分離して求める手法を検討する. 新原理に基づく光ナノグリッド基準の評価アルゴリズム構築を進め,計算機シミュレーションによりその妥当性を評価するとともに,自律校正システムのプロトタイプを構築し,実験的にもその妥当性の評価を試みる.複数の1次回折光波面を測定するために,光ナノグリッド基準を測定機の光軸に合わせて回転させる工夫を施す.また,前述の光干渉グリッド定在波転写システムで創成した光ナノグリッド基準を自律校正し,そのZ平面度とXYピッチ誤差及び干渉形状測定機の参照鏡誤差を分離して求める.
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