2016 Fiscal Year Annual Research Report
アジア域の劣化したRC構造物の残存性能評価と補修のための大規模数値解析
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16F16374
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長井 宏平 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00451790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EDDY LIYANTO 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | 微細構造解析 / 損傷事例 / 鉄筋腐食 / 残存性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元RBSM微細構造解析システムの拡張を行い,鉄筋腐食による膨張のモデル化と,それに伴うひび割れの発生,更にその後の定着性能の確認を,一連の解析フレームのなかで可能とした。具体的には,鉄筋とコンクリートの界面のバネに腐食生成物の発生による体積膨張を付加することで膨張圧を発生させる。これに伴い,鉄筋近傍のコンクリートにひび割れが生じる。腐食の進行とともに膨張は増加し,ひび割れが進展する。ある時点で腐食を止め,解析上は境界条件を変更して,腐食した鉄筋を引抜く。腐食によるひび割れが生じているため,無損傷の場合と比較して,引抜け耐力が減少するこが解析で再現され,確認された。小型試験体レベルでの確認ができたので,今後は部材レベルでの解析を実施する。これまでの成果を論文として公表した。 また,アジアの構造物損傷事例について情報を収集した。タイとミャンマーを中心に調査を行い,不適切な材料の使用や,施工不良に起因するものを確認した。腐食による損傷も日本と同様に沿岸部で散見され,日本と比較して補修が不十分である場合があるので,残存性能評価が重要であることが確認された。さらに,ミャンマーにおいては損傷橋梁の簡易モニタリングを実施中で,この経過を取り纏めた。具体的には,主塔が傾いた吊橋の変状進行を確認する傾斜計のモニタリングデータと,軟弱地盤により橋脚が移動しているコンクリート橋の桁と橋脚の相対変位のモニタリングデータである。これらを論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鉄筋の腐食モデルが導入され,研究が順調に進捗している。アジアの実構造物の損傷状況の情報の収集も行っている。これらの成果を論文としても公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに研究を進める。
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Research Products
(6 results)