2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16GS0201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 治 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (50092292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50280722)
前田 和茂 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20125652)
高橋 俊行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50281960)
藤井 優 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (30302079)
神田 浩樹 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (40321971)
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Keywords | ハイパー核 / 電磁相互作用 / (e,e'K+)反応 / 高解能分光 / 中性K中間子生成素過程 |
Research Abstract |
ハイパー原子核はストレンジ・クォークを含む多体系であり,強い相互作用によって束縛されたハドロン多体系の研究にとってユニークな役割を果たす。本研究は、ストレンジ・クォークをもつ重粒子としては最も安定なΛハイペロンを束縛するΛハイパー核を、(e,e'K+)反応によって最高質量分解能で測定し,(1)原子核深部に深く束縛されたΛハイペロンの性質,(2)Λハイパー核の構造,(3)Λ核子間相互作用を明らかにすることを主要な目的としている。17年度は(1)高分解能K中間子スペクトロメータ(HKS)および既設散乱電子スペクトロメータ(ENGE)の米国ジェファーソン研究所のHALL C実験室へ設置し、これまでにない検出効率で(e,e'K+)反応によるハイパー核分光実験を実施した。データ解析が進行中であるが、12LB,28LAlラムダハイパー核の質量スペクトルを得ると同時に、6,7Liから89Yに到る広い質量領域の原子核をターゲットする予備的データ収集をおこない、今後の実験計画に対して貴重な情報を得た。また、次世代実験のため散乱電子スペクトロメータの設計を行い、電磁石等の製作を開始している。一方,上記(e,e'K+)反応によるハイパー核研究と不可分な研究として,1GeV領域における電磁相互作用によるストレンジネス生成素過程の実験を実施することが本研究の第2の目標である。 17年度は、(1)重水素ターゲットによる中性K中間子生成過程実験を東北大学原子核理学研究施設に設置した中性K中間子スペクトロメータ(NKS)によって実施したデータを解析し、論文としてまとめつつある。はじめての閾値領域における中性K中間子生成に関するデータである。(2)同時にNKSの性能を大幅に向上させたNKS2の建設を進め大型双極電磁石、高精度大型軌跡検出器、飛行時間測定蛍光検出器を設置し、総合性能試験実験を開始した。
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