2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16GS0220
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
橋本 樹明 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 教授 (70228419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 秀次郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (30270440)
斎藤 芳隆 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (50300702)
稲富 裕光 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (50249934)
石川 毅彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (00371138)
小林 弘明 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部, 研究員 (50353420)
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Keywords | 微小重力 / 科学観測用気球 / ドラッグフリー / 流体工学 / 制御工学 / エアーブリージングエンジン |
Research Abstract |
本研究では、高高度気球からドラッグフリー技術を使用した微小重力環境部を落下させ、ここで各種微小重力実験を行うことを目的としたシステムを開発している。平成16年度の基礎設計、平成17年度の1号機の設計、製作、試験、平成18年度の1号機の飛翔と2号機の設計、製作、飛翔準備に引き続き、平成19年5月には2号機を飛翔させ、4号機の製作、試験および飛翔準備を行った。2号機は高度41.4kmまでの飛翔中全て正常に動作し、気球ゴンドラからの分離後、約30秒間の微小重力環境が実現でき、この間に、燃焼実験(線香花火の燃焼挙動の観察)を行うことができた。落下開始35秒後には超音速パラシュートを開傘し、機体は海上に緩降下、浮遊し、これを回収船とヘリコプターにより回収した。これにより、気球落下式微小重力実験システムの成立性が確認できた。回収された機体の損傷はほとんどなく、ほぼそのまま4号機の機体へと使用された。つづいて、4号機の設計、製作を行い、平成19年9月に三陸大気球実験場から飛翔させる予定であったが、風向きが飛翔に適さず、今期の飛翔は断念し、平成20年度以降に実験を行う予定である。4号機は、実用的な微小重力実験システムの実現を目指し、微小重力実験ユーザは当研究グループ外の研究者とし、東京大学理学部の重力波アンテナの動作試験と東京理科大学の流体の濡れ性観察の2種類について実験装置の開発を行った。実験装置の完成度の観点から、重力波アンテナを搭載し、4号機の飛翔実験に臨んだが、前期のように飛翔させることができなかった。なお重力波アンテナ実験装置は、その後航空機実験に供する機会があり、数秒ではあるが微小重力状態での動作を確認することができた。平成20年度は、実験場の北海道大樹町への移転があり、5月はユーザの実験を実施しないことから、9月期に4号機の実験を実施予定である。これにより、当初平成20年度に実施予定だった3号機の実験が実施できないため、予算の平成21年度への一部繰り越しを希望する。3号機では、さらに長秒時の微小重力環境を実現するため、空気取り込み式推進装置(エアーブリージングエンジン)を取り付け、大きな空気抵抗にうち勝つように下向きに加速を行う。エンジンの開発は別途行われているが、当該研究グループと密接に連携しながら、3号機の機体設計(特に空力設計)を行っている。
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Research Products
(14 results)