2007 Fiscal Year Annual Research Report
核・オルガネラコンソーシアムによる真核細胞の構築原理の研究
Project/Area Number |
16GS0304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 寛 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (60222113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40154075)
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40250104)
河村 富士夫 立教大学, 理学部, 教授 (10126039)
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Keywords | Cyanidioschyzon / organelle / chloroplast / mitochondria / genome analysis / red algae / symbiosis / cell cycle |
Research Abstract |
1. シゾン細胞周期において、オルガネラDNA合成(ODR)は核DNA合成(NDR)に先んじて起こる。光はまず一連のシグナル伝達を経由してODRを誘導するが、ODRはテトラピロール中間体の蓄積を促し、これがシグナルとなってCDKを活性化することでNDRが誘導されることを明らかにした。また、同様の制御系が高等植物細胞でも保存されていることを示した。 2. シゾンの3ゲノム(核・ミトコンドリア・葉緑体)について100%ゲノム配列決定を完成した。 3. シゾンの3ゲノムを網羅したタイリングアレイ(27-bp密度)を設計、作成し、CENP-A抗体を用いたChIP on chip法により全ての染色体のセントロメア領域の特定に成功した。 4. シゾン細胞について、プロモーター融合遺伝子の導入によるルシフェラーゼレポーターアッセイ系を構築した。また、シゾン細胞内でGFPを局在レポーターとして使用できることを示した。 5. シゾン細胞からオルガネラに共通のDNA複製酵素(POP)を精製し、基質特異性などについて解析を行った。 6. シゾン細胞周期のうち、G2/Mの移行に十分な光合成同化産物が必要であることが明らかになった。 7. 当初のシゾン核ゲノムの解析では、細胞質における翻訳に必要なtRNAが全ては見つからなかった。更に詳細な解析の結果、ゲノム上でtRNAの3'側半分が5'側半分の上流にコードされている遺伝子が見つかり、permuted tRNA遺伝子と命名した。 8. 植物の原初の系統進化を明らかにするため、太古の進化の推測に適切と考えられる保存的遺伝子のみを用いて大規模スーパーコンピューター解析を実施した。その結果、色素体の獲得後、様々な系統で色素体が失われたとする「超植物界」説が支持された。
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Research Products
(76 results)