2008 Fiscal Year Annual Research Report
核・オルガネラコンソーシアムによる真核細胞の構築原理の研究
Project/Area Number |
16GS0304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 寛 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 客員教授 (60222113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40154075)
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (40250104)
河村 富士夫 立教大学, 理学部, 教授 (10126039)
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Keywords | Cyanidioschyzon / organelle / chloroplast / mitochondria / genome analysis / red algae / symbiosis / cell cycle |
Research Abstract |
1.シゾンのウラシル要求性変異株を親株、ウラシル合成遺伝子を選択マーカーとして、相同組換えによる核遺伝子の特異的破壊技術の確立に成功した。 2.シゾンでR2R3-タイプのMybタンパク質の一つが、窒素飢餓による核遺伝子発現誘導に関わる転写因子であることを明らかにした。また、硝酸同化に特異的な発現制御が存在しないことも判明した。 3.シゾン核ゲノムにコードされる2種の亜硫酸還元酵素様タンパク質について、SIRBが亜硝酸還元酵素として働くことを遺伝学的、生化学的に明らかにした。 4.光とCO2により制御されるシゾン同調培養系を確立し、細胞周期の進行に糖・グリセリンなどにより促進される段階があることを示した。 5.灰色植物の核ゲノムデータの欠損を埋め、遺伝子置換率が高い生物群を除外して系統解析した結果、2鞭毛生物の中で灰色植物と紅色植物が基部に位置し、緑色植物の姉妹群がハプト植物とストラメノパイル・アルベオラータからなる単系統群であると推測された。また、構築した無色ミドリムシ藻のESTデータから盤状クリステ類がストラメノパイル・アルベオラータに近縁であると解析された。これらの系統は色素体ターゲット核遺伝子の系統からも支持され、"超"植物界の根元で一次共生が一回あったことを裏付けた。 6.シゾンの細胞質、および各オルガネラリボソームのプロテオーム解析手法を確立し、細胞質リボソーム分画において64個、ミトコンドリア・葉緑体リボソーム分画において54個のスポットを検出、このうち細胞質リボソームにおいて48種、オルガネラリボソームにおいて機能未知遺伝子産物4種を含む29種のリボソームタンパク質の同定に成功した。
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Research Products
(112 results)