2016 Fiscal Year Annual Research Report
創造性教育におけるアクティブ・ラーニングを支援するラーニング・コモンズの試行
Project/Area Number |
16H00087
|
Research Institution | SALESIAN POLYTECHNIC |
Principal Investigator |
和田 初枝 サレジオ工業高等専門学校, 教育支援課, 教育支援課長
|
Project Period (FY) |
2016
|
Keywords | ラーニング・コモンズ / サウンドマスキング / バックグラウンドミュージック |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的]本高専の教育課程の特徴である「創造性教育」の一環としてのアクティブ・ラーニングを支援するラーニング・コモンズの設計と試行を本研究の目的とする。 [研究方法] 1. 本学で実践している「創造性教育」における課題解決プロセスを分析し、必要なツールや課題に応じた資料提供等の人的支援について明確にした。 2. 「場」として読書等の他の利用目的とラーニング・コモンズを併存させる物理的空間を構築した。方法は図書館内の暗騒音の計測に基づいた音量のバックグラウンドミュージックを特に閲覧スペースを中心に聴こえるようにしたサウンドマスキングシステムを利用するものである。使用する音楽は先行研究で図書館のバックグラウンドミュージックとして肯定意見の多かった環境音楽とした。 3. 「創造性教育」への授業外学習支援を視野に、上記1で明らかにしたツールや人的支援の提供を上記2の場で行い、学生利用者アンケートおよび教員へのインタビュー調査を実施した。 [研究成果と今後の課題] 1. 提供したツールはディスカッション時に「役に立つ」との認識は持っていることがアンケートから伺えたが、実際には積極的な利用は見られなかった。この結果から授業外学習支援においても課題解決学習時に行われているファシリテートが重要になる。そのためには図書館でも課題解決学習の簡単な講習会等を実施することが有効と考えられる。 2. サウンドマスキングシステムで利用したバックグラウンドミュージックについては特に個人学習の際に「リラックスできた」という意見が70%以上を占めたが、「他の利用者の声が気にならなかった」については10%であった。この結果から「場」の構築はサウンドマスキングの視点からではなくバックグラウンドミュージックが図書館利用者にもたらす効果という点から再考した方が図書館利用時のそれぞれの利用目的の効果を高める上でも有用ではないかとの示唆を得た。 3. 1および2の結果に基づき課題解決学習方法の講習内容および図書館利用者の利用目的の効果を高める図書館の音環境の検討と提案を今後行う。
|