2016 Fiscal Year Annual Research Report
スキル習得を目指したトレーニングが読む力と書く力の時系列的関連性に及ぼす影響
Project/Area Number |
16H00088
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Research Institution | 広島県立廿日市西高等学校 |
Principal Investigator |
浅井 智雄 広島県立廿日市西高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | テキスト構成把握力 / 英文間の関連性把握力 / 英文変換力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 読むことと書くことを組み合わせた学習指導では、主として認知的負荷の大きさや学習者の語彙語句文法知識とそれらの活用力の不十分さに起因すると思われる課題が見られる。本研究では、長期的観点から、読むことと書くことの技能に関するトレーニングを行うことが「読む力」と「書く力」の相互関連性に及ぼす影響を探った。特に、伸長する分野とその度合いを明らかにすることを主な目的とした。 2 研究内容 公立高校1年生38名を対象として行った。まず、長期間のトレーニング効果を測定する目的で事前事後調査を行った。文部科学省検定教科書を用いて、日常の授業で「読む力」及び「書く力」の構成要素に関するスキルトレーニングを行うとともに、その効果を評価問題により測定した。得られたデータ間の関連性を共分散分析及び一元配置分散分析によって検証した。 3 研究成果 (1)スキルトレーニングを経た「読む力」及び「書く力」の到達レベル : 事前事後調査から和訳力(読む力)と語句レベルの置換力(書く力)の肯定的関連性は時間の経過の影響を受けないことが判明した。 (2)「読む力」及び「書く力」を構成する要素間の関連性の変化 : 談話レベルのスキルトレーニングの進行とともに、テキストの全体構成や英文間の関連性を把握する力(読む力)と元の英文の一部を文脈を考慮して改変する力(書く力)の関連性が顕在化する傾向が確認された。 4 重要性・意義 「読む力」の構成要素であるテキストの全体構成や英文間関連性を把握する力を伸ばすことは、置き換えや短縮等の「書く力」を構成するスキルを伸ばすことにも役立つ可能性があることを示すことができた。 5 今後の課題 読む英文とスキルトレーニングの種類を精選して、「書く力」の構成要素を焦点化させる必要がある。
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Research Products
(4 results)