2016 Fiscal Year Annual Research Report
教材解釈過程の多様性の解明による物語の授業評価参照枠の開発
Project/Area Number |
16H00101
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Research Institution | 愛知県立半田高等学校 |
Principal Investigator |
中道 豊彦 愛知県立半田高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 教材解釈過程 / 多様性 / 授業評価参照枠 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究成果 CAN-DOリストとして開発した、物語の授業評価参照枠は以下のとおり。 『おじいさんのランプ』新美南吉【上中下】 ① 記述1 主人公を主語に、物語の主要アイテムを目的語として記述できる。 ② 評価1 主人公を主語にして、物語の対抗アイテムを拒否する評価ができる。 ③ 評価2 主人公を主語にして、良い評価ができる。 ④ 評価3 主人公を主語に、物語中の活動を目的語として評価できる。 ⑤ 評価4 主人公を主語にして、物語に否定的・複雑な印象を受けたと評価できる。 ⑥ 評価5 主人公を主語に、物語の主要アイテムを目的語として評価できる。 ⑦ 補足1 主人公を主語にして、主人公自身を再帰的に補足できる。 ⑧ 補足2 主人公を主語に、物語の主要アイテムを目的語として補足できる。 ⑨ 理由1 主人公を主語にして、主人公自身に関連した理由を記述できる。 ⑩ 理由2 主人公を主語に、物語の主要アイテムを目的語として理由を記述できる。 この他に、【上】・【中】・【下】それぞれの評価参照枠を作成したが全体の引用は割愛する。 本参照枠は平成28年度授業研究成果を参照しつつ、平成27年度授業研究成果に基づいて作成した。 2 課題 CEFRとの対応 「CEFR4.4.1.2書く産出活動の(総合的な書く活動 : A2)「そして」「しかし」「なぜなら」などの簡単な接続詞でつなげた簡単な表現や文を書くことができる。」との対応は評価参照枠「【中】②や【下】③の接続1「しかし」を用いて記述できる。」で対応できた。しかし、「表2共通参照レベル : 自己評価表(書くこと : C2)の、明瞭な流暢な文章を適切な文体で書くことができる。」等への対応は今後の課題である。 3 意義及び重要性 本研究の意義は、授業における生徒の自発的な教材解釈と表現の多様性を分析・可視化して、そこからボトムアップ式に評価参照枠を構成したことである。これによって、授業実施・授業分析・評価参照枠作成・授業評価・授業実施の循環が確立され、主体的・対話的で深い学びを支援できることに重要性がある。
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Research Products
(1 results)