2016 Fiscal Year Annual Research Report
ドラマ教育の応用による動植物及び自分自身とのかかわりを深める生活科授業の開発
Project/Area Number |
16H00113
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石井 信孝 広島大学, 附属三原小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | ドラマ教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, ドラマ教育の理念・手法を用いることで, 小学校低学年児童が飼育栽培活動を行う際に得られる動植物に関する気付きを高めるとともに, 世話を行った自分自身の成長の自覚を促す授業を開発することである。飼育栽培活動は長期間にわたることや日々の変化が少ないことから, 児童が興味関心を抱きにくい傾向がある。また, この年齢では, 活動を通してどのような成長をとげたか自覚することが難しい面がある。 前述した目的を達成するために, 第1学年の児童を対象に朝顔の栽培, カタツムリの飼育などの授業実践において以下のドラマ教育の手法を主に応用した。 ア. 感覚器官を働かせて動植物とかかわることで, 小さな変化に気付くことができるようにする。 イ. 動植物の様子を身体表現することで見出したことを再構成し, 体験と言語を結び付け, 発見したことや疑問の自覚を図り, さらにかかわりを深められるようにする。 ウ. 動植物がもしも話をすることができたらと仮定し, 動植物の立場から話を想像することで, 各自の世話の仕方や成長の様子などを振り返られるようにする。 3つの手法に沿って成果の概略を述べる。 ア…視覚だけでなく触覚を働かせることで見た際と実際に触った際の印象が異なることや心地よさなどを実感し, 触って試したいという意欲を抱かせ, 動植物とのかかわりを促進した。 イ…動植物の動きの言語表現は難しいが, 身体表現することで見出したことを他者に伝えることができ, そこから他の個体や同一個体の他の時点での動きとの比較を促し, 新たな気付きにつながった。 ウ…動植物からの立場で語らせることで, 世話の必要性を感じたり, 継続した世話ができたことに自信を抱いたりすることができた。
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