2016 Fiscal Year Annual Research Report
震災復興事業を題材とした新たな社会参画の授業モデル(学習カリキュラム)の開発研究
Project/Area Number |
16H00118
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
椎名 和宏 千葉大学, 教育学部附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 社会参画 / 住民参加 / 復興事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学校学習指導要領社会科では、社会参画に関わる学習が重視されている。そのため、地方自治における単元では住民参加として住民投票やNPOなどの取り組みが紹介されているが、「国の政治のしくみ」においては住民が果たす役割については取り扱いが不十分である。地方自治だけでなく、国政でも生徒が主体的に意見を述べ、行動することは重要である。一般的な「国の政治のしくみ」の単元構成を抜本的に見直さなければ、同単元において参加型市民は育たないと考えている。そのため本研究では国・地方公共団体・住民が一体となってまちづくりについて考える震災復興事業を題材とした社会科における公民的分野「国の政治のしくみ」についての学習単元の開発を目的としている。 震災復興事業の中には防潮堤の建設や住民の高台移転といった住民合意を必要とするものがある。国が復興計画、復興予算を準備し、地方公共団体が具体的な復興計画を策定するものの、それだけで工事は進まない。震災から月日が経ち、海と向きあって生活をしてきた地域住民の思いは複雑なものがある。そのため、国や地方公共団体も地域住民と意見交換を行い、協働で計画を練り直した地域もある。生徒にとってそのようなモデルを知り、自分たちも行政と関わる接点を見つけることこそが参加型市民育成の第一歩となると考え、単元を開発した。 単元では、復興事業が進んでいない背景を学ぶことで、復興事業と住民との関係について認識を深められた。また、地域住民の意向によって復興事業が遅れていることに触れることで、生徒が住民に目を向けて、地域住民として主体的に学習に取り組めるようになったと考えられる。以上の開発単元については「震災復興事業を題材とした新たな社会参画の授業モデル」として論文発表を行うことができた。
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Research Products
(1 results)