2016 Fiscal Year Annual Research Report
『身体や動きを媒介としたコミュニケーション能力』の育成を促す教師行動の検証
Project/Area Number |
16H00135
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
君和田 雅子 お茶の水女子大学, 附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 伝える力・受け入れる力 / 身体や動きを媒介としたコミュニケーション能力 / 主体性を生かした探求的な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
ダンス授業においては、生徒の主体性を生かした探求的な学習を生みだすために、「身体や動きを媒介としたコミュニケーション能力」の育成を促す教師行動の影響が大きい。しかし、この能力の育成を促す教師行動については、まだ十分把握されていない部分も多い。焦点化し明らかにすることで、「生徒の主体性を生かした探究的な学習」を保証する体育授業のあり方を検証したいと考えた。 本研究では、体育のダンス領域において、とくに生徒の『身体や動きを媒介としたコミュニケーション能力』の育成にどのような働きかけが望ましいのか、特に教師行動に焦点を置いてあきらかにすることを目的とした。 ダンス領域で育てたい力 ①身体を通じてイメージや感じを表現する②うまく伝えたいという意欲③伝える力・受け入れる力 この「伝える力・受け入れる力」を言語・非言語双方を含んだまるごとの『身体や動きを媒介としたコミュニケーション能力』ととらえ、教師はどのように生徒に問いかけ、引き出しているかを検証した。 2014年度の授業において、教師の発話と行動を記録し、毎回の授業を分析し、振り返りを行った。分析をするうち、1時間の授業における学習の各場面(図1)を通して、どの場面でも「身振りや動き」を交えた発話が大半を占め、また、発話をしていない時に、「身振りや動き」だけで生徒とやりとりをしている場面が全体に見られた。この、「身振りや動きを伴った問いかけ」こそ、教師と生徒、また、生徒同士で動きながら学ぶ授業展開を支える大きな要素ではないかと考えた。 そこで、2016年度の授業では、身振りや動きを伴った問いかけを意図的に心がけ、発話、教師行動を記録した。学習の各場面のうち、(教師による課題提示)の場面、(生徒による協働的な課題解決活動)の場面に着目し、発話分析、教師行動(身振りやしぐさ・動きなどの非言語)の映像分析、グループ活動時の生徒同士のやりとりの映像および発話分析、観察者の振り返りによって『身体や動きを媒介としたコミュニケーション能力』の育成に寄与する働きかけの実際を探り、生徒が主体的・協働的に“動きながら学ぶ”授業の方法と内容を検証した。
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Research Products
(1 results)